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お知らせです!最近仕事がとても忙しいため、第53話からはドイツ語版と日本語版の更新をしばらくお休みさせていただきます。ご不便をおかけしてしまい、本当にすみません。今後ともよろしくお願いいたします。
Kurze Info! Da ich zurzeit beruflich sehr eingespannt bin, werden die deutschen und japanischen Versionen ab Folge 53 vorübergehend pausieren. Es tut mir leid für die Umstände und vielen Dank für euer Verständnis!
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スピリチュアルな 本棚 # 49 : 賢いお金の使い方 パート 16
みなさん、こんにちは。今週はいかがお過ごしですか?
さて、今日もチャーリー・マンガーの名著『Poor Charlie’s Almanack(愚か者の年鑑)』を一緒に見ていきましょう。
第11講では「人間の誤った判断の心理学」について紹介されていて、マンガーは私たちがつい間違った判断をしてしまう原因を25個もリストアップしています。
これを理解すると、「なぜ人はある時は合理的に行動するのに、別の時には非合理的になってしまうのか?」がよく分かります。
今日はその中から2つを取り上げます。
① 「嫌悪・憎しみの傾向」
これは「好意の傾向」の反対ですね。
人は、優しくしてくれる相手を好きになる一方で、自分に冷たくしたり意地悪した人を嫌ったり憎んだりするようにできています。これは赤ちゃんでもそうですし、サルやチンパンジーにも同じ行動が見られます。
だからこそ、人類の歴史から戦争がなくならなかったんです。昔の部族同士の争いから現代の戦争まで、「憎しみ」はずっと強力に存在してきました。イギリスには「政治とは、憎しみをうまく扱う技術だ」という古い言葉もありますし、アメリカの選挙広告でも対立相手への憎しみをあおるものが多いですよね。
では、なぜマンガーはこれを危険なバイアスだと考えるのでしょうか?
1.判断が濁る
嫌いな人の意見は、どんなに良いアイデアでも無視してしまいがちです。たとえば、上司が部下を嫌っていたら、その部下の素晴らしい提案を採用せず、会社が損をするかもしれません。
2.復讐心につながる
憎しみが強いと、相手に仕返ししようとして自分も傷ついてしまうことがあります。ビジネス交渉でも、個人的な恨みが「本来はお互い得をするはずの取引」を壊してしまうこともあるんです。
3.学びの機会を失う
嫌いな人からは学ばなくなってしまいます。でも本当は、賢い人は敵からも学べるものです。憎しみで目が曇ると、そのチャンスを逃してしまいます。
4.悪循環を生む
憎しみ → 判断ミス → 悪い決断 → 失敗 → さらに憎しみ… という負のサイクルが起きてしまいます。投資、ビジネス、人間関係、どこでもこのサイクルは知恵を静かにむしばんでしまいます。
じゃあ、どうやって自分を守ればいいんでしょう?
マンガーは次のようなツールをすすめています。
•相手とアイデアを分けて考える。嫌いな人の発言でも「これが自分の尊敬する人の言葉だったらどう思うか?」と想像してみる。
•感情的になった時は「自分は相手の長所を無視してないか?」と逆に考えてみる。最低でも一つ、その人の良い点を書き出してみる。
•仕返ししたい気持ちを抑える。「これは本当に長期的な利益になるのか? それともただ相手を傷つけたいだけか?」と自分に問いかける。
•クールダウンの時間を取る。怒りのメールはすぐに送らず、一晩寝かせてから判断する。
•「嫌いな人から何を学べるか?」を書き出す。その人は自分よりどんな点で優れているか?
•判断リストに「嫌いだからという理由で歪んだ判断をしていないか?」というチェック項目を入れる。
② 「疑い回避の傾向」
もう一つ大きいのは、人間は「疑い」を早く消したい、という本能です。
なぜでしょう?理由は3つあります。
1.進化的な理由
自然界では「迷うこと」は命取りでした。捕食者を見て「逃げる?戦う?」と悩んでいたら、生き残れません。だから脳は素早く決断するように進化しました。
2.心理的な安心
不確実さは不安を生みます。そのストレスから逃れるために、人は「一番それっぽい答え」をすぐに選んで安心したがるんです。
3.エネルギー節約
深く考えるのは脳にとって大変です。だから「とりあえずの答え」を見つけて、それ以上考えないようにするんです。
でも現代社会では、これは逆効果になることが多いです。結論を急ぎすぎて間違えたり、見出しだけを信じてしまったり、権威のある人の言葉をうのみにしてしまったり…。投資やビジネスなら、大きな失敗につながります。
この罠を避けるにはどうすればいいでしょう?
•自分に時間を与える。株の話を聞いたその日に買わない。大きな提案も、最低1日は待ってから決める。
•「悪魔の代弁者」になる。聞いた話が正しいと思った時こそ、「これが間違っているとしたらどこが弱点か?」と考える。
•不確実さを受け入れる。「今は答えがない方が、間違った答えを急ぐよりマシ」と自分に言い聞かせる。
•複数の視点で考える。マンガーが言う「マルチモデル思考」を使い、少なくとも2〜3の視点から問題を見直す。
•判断リストに「疑いから逃げるために早く結論を出していないか?」というチェックを入れる。
今日はマンガーの「嫌悪・憎しみの傾向」と「疑い回避の傾向」について話しました。
ぜひ聞くだけでなく、日常で実際に意識してみてください。
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